「ヒートガンやドライヤーで加熱するとフィルムは伸びる」というのはご存知だと思います。
一般的にPVC製のカーラッピングフィルムは熱を加えると柔らかくなり伸びる性質があります。
これを少し難しい言葉でいうと”熱可塑性(ねつ-かそせい)”といいます。
“ ねつ‐かそせい【熱可塑性】
常温では変形しにくいが、加熱すると軟化して成形しやすくなり、冷やすと再び固くなる性質。
プラスチックの性質のひとつ。コトバンク> デジタル大辞泉より “
ただし、この性質にはもうひとつの側面があります。
それは「フィルムは元々の形状を記憶していて、元に戻ろうとする」という点です。
熱可塑性とは
どういう事か、試しに熱をかけたあと、フィルムを引っ張ってみましょう。
グーっと伸びるのがお分かりだと思います。冷えるとその伸びた状態で保持されます。
これが伸びる性質ですね。
このフィルムを、今度は力をかけずに、再加熱してみます。
すると伸びたフィルムが勝手に縮んでいきます。
これがフィルムの性質 – 熱可塑性です。
この性質によって、PVC製のカーラッピングフィルムは曲面にもフィットさせることができるわけですね。
ただ注意点としてこの性質はどちらにも働きます。
要するに(熱をかけると)伸びるけれども、(元の形状に)縮もうともする、ということです。
そして、この一旦伸ばしたカーラッピングが縮んでしまう性質が、後から剥がれてきたり浮いてきたりする一番の原因なのです。
でもご安心ください。
これにはちゃんと対処法があります。
それが「ポストヒーティング」という作業です。
これを行うことで、伸ばした部分が後で縮んでこないように処理することができます。
「ポストヒーティング」の理屈ややり方については過去記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご確認ください。
初めてでも貼れた!カーラッピングで失敗しないために絶対に押さえておきたい四つの鉄則(後編)
まとめ
”熱可塑性”とか、少し難しい言葉も出てきましたが
カーラッピングにおいてフィルムの性質をきちんと理解しておくのはとても重要です。
ぜひ覚えておいてください。